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アスランと殿下

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「どこかで見た顔だと思っていたんだ」
 そう、さらりと頬を撫でて離れた指に。一瞬、思考を奪われる。
「なあ、アスラン。お前、機会があったらケテルブルグの街を、その軍服のままで歩いてみるといい。街一番のホテルから公園まで歩けば、お前の後ろに、一個小隊分くらいの子供の列ができるぞ」
 他者の当惑を面白がるような、笑みを含んだ声音で、金の髪の皇位継承権保持者はそう曰った。
「お前さ、ケテルブルグのカール三世像にそっくりなんだわ」
 ケテルブルグの子供の間じゃ、カール三世ごっこは定番の遊びでな。その腰の剣を抜刀して頭上にかざした日にゃあ、お前、一発で人気者だ。そんなことを楽しげに語る。
 他愛もない。そう、微笑ましいほど他愛もないことが妙に面白くないのは恐らく、ケテルブルグ時代のこの方を、伝聞でしか知らぬせい。埒もない妬心は、笑顔で繕うに限る。
「それは楽しそうですね、殿下。でも私は、これから百年二百年先、子供たちが役所を争ってピオニー九世陛下ごっこをする未来を想うことの方が楽しいです」
「……言ってくれる」
 でもなそーいうことは不用意に口にしない方がいいぞ、と、気怠げに手を振る。しかし、その気配にはすうっと威が満ち、肌が粟立つ。煌めくような、王の瞳。
 軍人の家系に産まれ、育ち。そして出会ったこの方。この方の足下に跪くことに喜びを覚え、そしてこの方以外の前で膝を屈することに抵抗を感じる……そのような『殿下』に、趨勢の定まらぬ現段階で出会えたことは、職業軍人として不運であるのか、それともこの上ない僥倖であるのか。今はまだ判断が付かぬまま、口の端を吊り上げる。まあ、譬え不運であろうが、それがこの方に仕える代償であるなら望むところだ。後悔はない。
「言わせるのは、殿下、貴方様ですよ」

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前々から書いてみたかった、アスラン。微妙に黒っぽ……い?
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