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パーティメンバー

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「不条理ですわ許せませんわ!」
 聖剣を借り受け、グランコクマの宮殿を辞してからこちら、ナタリアは憤然とした様子を隠さない。その歩みはさながらベヒモスの如く。
「なんですのなんですのあのセクハラ陛下! それでこれほど民に慕われているなんて、解せませんわ!」
 吼えるナタリアの背中をティアは宥めるようにぽんぽんと叩き、アニスは軽い調子で肩を竦めた。
「大人気、ってゆーならバチカルのナタリアだって引けを取らないじゃん」
「ありがとう。ティア、アニス」
 二人の気遣いにナタリアは目元を和ませたが、力なく首を振る。
「でもそれは意味が違いますわ。私は私にできる限りのことをしているつもりですけれど、私が関わる部分は……言うなれば、政の理想担当・綺麗事担当。清濁併せて一国を担い、その上で評価を受けるピオニー陛下とは比べようもありませんわ」
 ナタリアはひとつ息を付くと、キッと眦を吊り上げた。
「そうっ! それならそれらしくして下されば宜しいのにっ」
「え。陛下、格好いいよね?」
「ええ、素敵な方だと思うわ」
 アニスとティアが首を傾げれば、ナタリアはぐ、と拳を握る。
「それはっ。格好いいとも素敵だとも思いますけれど! それだけならばこれほど口惜しくはありませんわ! 今の私では足元にも及ばない手腕をお持ちの方ですもの、ならば素敵に格好良く高みにいて下されば宜しいものを! あんな巫山戯た……砕けた様をお見せにならなければ、こんな、手が届きそうで届かない、もどかしい気持ちなど知らずに済みましたのにっ!」
「ナタリア……」
「それに。剣をお借りしたとき、私の態度はものを頼むときのものではありませんでしたわ。それをその冷たさがたまらないとかなんとか、鷹揚に受けて流されて……! まるで相手にならなくて……」
 次第に声が細り。肩を落としたナタリアはどこか寂しげで、妙に可愛らしく見えた。
「……悔しいですわ」

 仲良く肩を寄せる女の子たちを、少し離れたところで見守る男性陣。
「ナタリアさん怒ってるですの?」
「たぶん自分にな。……にしても、なーんかすっげえ嬉しそうだな、ジェイド」
「おや、そう見えますか」
「……旦那、こういうとこ意外と判りやすいよな」

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じまんの御主人様ですの。
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